市長近況短信 No403 (4月中旬号)

《熊本地震から1年》
        ~震災の経験を教訓に~

 4月14日、震度7を2回も観測した熊本地震から1年が経ちま
した。大きく崩れた熊本城や、上階のフロアが激しく歪んだ宇土市
役所の映像に衝撃を受けた方も多かったのではないでしょうか。
 そして、不自由な生活を強いられ、苦しんでいる方がまだ多くい
らっしゃることが、連日報道されています。私はこれまで2回、大
きな地震の現場へ駆けつけています。

 平成7年1月、阪神淡路大震災のとき、私は1回目の県会議員挑
戦に惜敗し浪人中でした。被災地の青年会議所から秦野青年会議所
へ、応援物資の要請ファックスが届いたのです。ちょうど私もOB
として、被災地へ自転車を運べないか相談していたところでしたの
で、物資をかき集めてその日のうちに出発。真夜中に雪の関が原を
越えて夜を徹して駆けつけたことが思い出されます。この目で見た
被災地の惨状は、決して忘れることができません。
 この後、県会議員に当選し、治安・災害特別委員長の任につくこ
とになったとき、この経験は大きく生かされました。
 平成16年には新潟中越地震がありました。このときは市長選に
向け、やはり浪人中のこと。少しでもお手伝いができればという思
いと、もし秦野が同様の災害に見舞われたら行政はどう対応できる
のか・・・そんな思いを胸に現地へ。多くの道路が寸断され、移動
がままならない状況の中、多くの広域避難所を巡りました。
 そこで災害用トイレの整備など、長期に及ぶ避難生活への備えや、
個人用のすぐには調達できない物(薬、メガネ、入れ歯などは借り
ることはできませんので・・・)見落としがちな日常用品の準備な
ど、公助のみならず、共助、自助を重視した日ごろの備えが大切で
あることを実感したものです。
 そして、避難所の環境についても、工夫が必要だと感じていまし
た。固い床の上にシートを敷いて寝泊りすることは高齢者でなくて
も、大変なことだと思うのです。プライバシーの確保も必要です。
 熊本地震では、避難所生活よりも自分の車の中で過ごす車中泊を
選択した人も大勢いました。

 そこで市長になってから、避難所環境の向上を意識して、改善を
図ってきました。市内小中学校への空調設備を導入しましたが、こ
のことは学習環境の向上とともに、避難所環境の向上にもなります。
 これから進めていく市内小中学校のトイレの洋式化、快適化も、
避難生活の改善につながります。昨年の12月には、プライベート
確保のための簡易間仕切りや段ボールベッドなどを供給してもらう
協定を、NPO法人と締結しました。実際に組み立ててみましたが、
簡単で、しかも頑丈です。このような協定を結んだ自治体は珍しい
のではないでしょうか。避難生活はそれ自体、苦しいものですから、
せめて少しでもストレスがかからないような環境を整えていきたい
と思いますし、そうすることが私の役目です。
 頭では分かっていても常に危機感を持つのは難しいことです。そ
んな中、「あれから1年」という今回のような報道は、「忘れるな」
と叱咤してくれているような気持ちになります。
 被災地の皆さんが一日も早く、日常に戻れることを心よりお祈り
申し上げるとともに、大きな被害を代償として得た経験をしっかり
今後に生かしていくことが我々の責務です。

被災した宇土市役所


本庁舎(秦野市)は耐震工事の真っ最中です

今年実施した避難所の受付訓練


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